「…あのさ、何の為に入院してるか分かってる?」 長い沈黙の後、広瀬先生が口を開いた。 本当に自分の情けなさに呆れる。 私は22歳の立派な大人。 幼い頃の嫌な記憶がトラウマで、 昨夜、診察室の前まで来たのに、 入れず部屋に戻ったなんて言えなかった。