「ユビルスの術士であるお前に、頼みがある」 その声の主――ツェリウス王子に皆の視線が集まる。 (王子?) 「丁度良かった。ユビルスに書簡を出そうと思っていたんだ」 ゆっくりと、サカードさんがこちらに身体を向けた。 「書簡、ですか。それは一体どのような?」 堂々と彼を見つめ返し、王子ははっきりとこう言い放った。 「ユビルスの術士を数名、衛兵として正式にこの城で雇いたい」 「!?」 私含め、その発言に皆が驚愕した。