嵐猫が言う。沙月も同感だ。

嵐猫は沙月のサポートのため、この世に残ることが許された。

「葉月くんはどんな妖怪ーーー」

「俺、一人で戦えるから」

葉月はくるりと背を向ける。

「さっさと霊退治に行くぞ!足手まといになるなよ」

「わ、わかってるよ……」

沙月は嵐猫と共に外に出た。



妖怪たちがあの世に帰って、一ヶ月が経った。

「沙月!俺があいつらを引きつけるから、お前が除霊しろ!」

「わかってる!」

葉月と除霊するのも慣れてきた。葉月はまるで妖怪のように、手から炎が出せたり、水を操れたりする。お札を使って除霊しかできない沙月とは大違いだ。

悪霊が住みついて工事ができない廃ビルに二人は除霊に来ている。廃ビルに足を踏み入れた瞬間に、沙月と葉月は悪霊に取り囲まれた。

「こっちだ!」

葉月が手から氷を出し、霊に投げる。嵐猫が風を起こし、霊を吹き飛ばしていった。