「ねー、そんなところで何やってんの?」
そんな時、聞き覚えのある声がして。
顔を上げると坂城くんがいた。
坂城くん…。
「お前らさ、こんなダサいこと辞めなよ」
坂城くんは女子集団のリーダーっぽい子に話しかけている。
知り合い…なのかな?
「坂城には関係ないでしょ?」
「関係あるじゃん。
言っとくけど、一緒に帰ろうって誘ったの僕だから」
「なに言ってるの?うそでしょ?」
坂城くんは、また私をかばってくれようとしている。
何でいつもそんなに優しいの…。
「それにさ、こんなとこ黒川に見られたらどうなるかな?
女でも容赦しないって言ってなかったっけ?」
坂城くんはリーダーの子に一歩近づくと、
「なんなら僕がチクってもいいけど?」
坂城くんはドスのきいた低い声でそう言って。
女子たちは少しずつ後ずさりして、表情を歪めながら校内へ戻っていった。



