「僕だったら海莉ちゃんを泣かせたりしないのになって、昨日ずっと考えた」



坂城くんの一言にドキッとした。


もしかして、昨日泣いてたの見られてた…?


廊下に出た時にぶつかったのって、坂城くんだったのかな。


だとしたら恥ずかしすぎる。




「あんな奴やめて僕にしなよ」


そう言う坂城くんは、すごく真剣な目をしていて。


この人だったら私も幸せになれるのかな、なんて少し思った。




「坂城くんありがとう。
そう言ってもらえて、すごく嬉しい」


私がそう言うと坂城くんは目を丸くして、


「え、あ、うん…」


と何故か動揺しているように見えた。


「どうしたの?」って聞くと、


「海莉ちゃん、今可愛かった」

と腕で顔を隠しながら言った。


え、なにその反応…。


照れちゃうじゃん…。