お礼言えなかった。
坂城くんが教室から出て行くのを見てると視界に柊が入ってくる。
「海莉、坂城のこと気になんの?」
そりゃ、あんなこと言われたら、気になっちゃうけど柊が不機嫌なのが分かったから、
「そんなんじゃないよ」
恥ずかしいのもあって否定した。
だけど、柊様にはご納得頂けなかったようで。
「俺以外の男とイチャついてんじゃねーよ」
柊はすごい低いトーンでボソッとそう言った。
その言葉を聞いて、泣きそうになった。
私のこと好きでもないくせに、
本当の彼女にしてくれないくせに、
なんでそんなこと言うの…?



