誰にも邪魔させない。




「でも何で今更付き合ってるフリとかするわけ?」

「なんかね、見た目で近寄ってくる女子たちがイヤなんだって」


「えー今までもそんなの沢山あったんじゃないの?」

「そーだよね」


確かに高校に入ってから爆発的にモテてるけど、中学の時もそこそこ人気はあった。

今更と言えば今更だ。


「本当はもっと違うこと気にしてるんじゃない?」

「え、他に理由があるってこと?」


全然思い当たらないんだけど。


「誰かさんの為とかね」

「誰かさんって誰よ」


美結はさっきから楽しそうに喋ってるけど、何を言いたいのか私には全然伝わってこない。


「ま、せいぜい頑張んなよ!」


そう言いながら私の肩を叩いて、立ち上がる美結。


「あー今話しそらした!」


ちょうどその時チャイムが鳴って、美結の発言が気になったけど結局聞けなかった。