やばい、怒らせちゃった。
柊は、そのまま真顔で私に詰め寄ってくる。
「オレの言う事聞かないと、どうなるか分かってるよね?」
今や私より20㎝くらい身長が高い柊は、私を見下ろしながらゆっくりと距離を縮めてくる。
こ、怖いですよ柊くん…。
このモードになったら、私が何を言っても聞いてもらえない。
結局、私に拒否権なんてないんだ。
「分かった!彼女のフリさせて頂きます!」
私が彼女のフリに承諾すると、柊は笑顔を貼り付けて解放してくれた。
「分かったんならよろしい」
柊は分かってる。
私が柊のお願いを断ることができない事。
悔しい。
だけど仕方ない。
だって好きなんだもん。



