こういうところ、本当に昔から変わらない。

 高校生になって光美と出会ってからは、ふたりしてよく私の些細な変化に気づき、すぐに声をかけてくれていた。

 もちろん私もまた、ふたりの様子がおかしいとすぐに気づく。そうやって友情を深めてきた。

 村瀬さんが早乙女さんとの婚約が発表され、失恋決定して落ち込んでいても、ふたりがすぐに気づいてくれて励ましてくれるんじゃないかな。

 そう思うと、少しだけ気持ちが浮上すると同時に、気が緩んで涙が零れ落ちた。

「だ、大丈夫か? さくら……!」

 あまりに大がオロオロするものだから、笑ってしまう。

「ごめっ……。違うの、お店がなくなることが悲しくて、泣いているんじゃないの」

 会社では気を張っていたし、心強い味方がいると改めて実感したら安心して泣けてきたんだ。

「じゃあ、なんで泣いているんだ?」

 いまだに困惑している大を安心させるよう、涙を拭って伝えた。

「大のせいだよ」

「お、俺!?」

 想定外だったようでオーバーに自分自身を指差し、驚いている。

「そう、大のせい。……大が泣かせるようなことを言うから」

 一呼吸置き、びっくりしている大に尋ねた。