それはきっと恋をしたら、誰もが抱く気持ちのはず。だからこんなにも胸が苦しい。

 でも村瀬さんだけは諦めることができない。私……どうしようもないくらい彼のことが好きだから。

 その想いは日を重ねるごとに大きくなっている。今日だって助けに来てくれて嬉しかった。みんなの前で堂々と私とのことを話してくれて、泣きそうになった。

 こんなに好きになれる人とは、絶対にこの先出会うことなどできないだろう。

「もう二度と傷つけない。……さくらはなにがあっても俺が守る」

「村瀬さん……」

 どちらからともなく顔を合わせると、自然と重なり合う唇。

 まるで将来を誓い合うように、熱いキスを交わしていく。

「好きだよ、さくら。……愛している」

 何度も囁かれる愛の言葉。

「私も……」

 答えたくても塞がれて、「好き」と言わせてもらえない。だから必死にキスで伝えた。「私も大好きです。愛しています」と――。