「ごめん、さくら! つい……」

「大丈夫。遅かれ早かれ、みんなには伝えるつもりだったから」

 少しすると注文したハンバーグ定食が運ばれてきた。そこには追加注文していないトッピングの目玉焼きが乗っていて、店長に「ご懐妊祝いだ」と言われてしまった。

 好意をありがたくちょうだいし、三人でおいしいハンバーグを食べていると、大がしみじみと話し出した。

「でも、そっか。さくらがお母さんになるのか。……なんか信じられないな」

「そうだよね、不思議な感じがするよね。だってさくらがママになるんだよ?」

 大に続いて光美もそんなことを言う。

「だけど、幼なじみとしてさくらが幸せだと俺まで嬉しいよ。……改めておめでとう」

「大……」

 すると大の目はみるみるうちに赤くなっていく。

「え、ちょっとやだ、どうして大が泣くのよ」

 ギョッとする私と光美に、大は慌てて涙を拭った。

「しかたないだろ? これは自然現象だ! 泣きたいから泣くんだ」

 開き直って堂々と泣く大に、私と光美は顔を見合わせて笑ってしまった。