「…ねえ、アクセサリーはまだ重いよね」

「どのレベルのアクセサリー?」

「…ネックレスとか、リングとか?」

「それは…1年記念とか、もうちょっと記念日感ある方がいいんじゃない?」

「そっかー」


付き合ってすぐに、ペアリング買ってるカップルの描写なんて、読んだことも書いたこともないです!(私調べ)


「スマホカバーとかスマホリングは、どう?」


貴哉くんがそう提案してくる。

…そういえば。


「私と貴哉くん、機種一緒だよね」

「うん、それ思い出して!」


スマホ周りの小物なら、毎日使う物だし、ペア感あるかも!


「でも飛鳥ちゃん、今使ってるやつがお気に入りとか…」

「全然。貴哉くんとお揃いがいい」

「即答!」


早速お店に行く。
たまたまか、ペアになるカバーやリングのコーナーがある。

先週までの私が見たら、
リア充爆破せよ!って思ったかもしれないけどね。

今は、感謝すらあるかな。


20分30分と、2人でああだこうだ言いながら決める。

そんな話し合いの結果、
並べると白鳥が向かい合うデザインのスマホカバーと、なんかオシャレな筆記体の英語が書いてあるスマホリングになった。

カバーの色は、私がピンクで貴哉くんが水色。
白鳥は名前の通り白い。

リングは、黒地に白字。
金属部分は私がゴールド、貴哉くんはシルバー。
私のには“You're the irreplaceable person to me.”、貴哉くんのには“Until now I have been looking for you.”と書いてある。


購入後、ベンチに腰掛けて着けてみた。


「ところで貴哉くん、英文の意味分かってる?」

「僕のは何となく分かるけど…え、飛鳥ちゃんは分かるの?」

「年上の英語力を見せつけてやろうではないかっ!」


貴哉くんの方を見る。


「貴哉くんのは、今まで私は貴方を探し続けていたんだ…みたいな意味かな」

「うん、そうだと思って選んだ。和訳すると、ちょっとキザだよね」


そして私のは…。


「貴方は私にとってかけがえのない大切な人です」

「え?」

「…って、私のには書いてあるっぽい」

「…ああ」

「いや、思ってるよ?ホントに」

「やった」


彼は嬉しそうに笑った。


「飛鳥ちゃん、よく何とかableって単語知ってたね。俺、これ初めて見たけど」

「貴哉くんが会計してる間、後ろで調べた!」

「…先輩だからとか、関係ないじゃん」

「分かんない単語くらいいっぱいあるって」


私もirreplaceableは初めましてだったわ。