ずっとキミしか見えてない

 光雅くんはそんな私の様子を気にした風でもなく、窓の外を見ながらこう言った。


「いや、名前見てもわからなかったんだ。違うクラスか、違う学年の人みたい」

「そうなんだ……」


 光雅くんが認識していない女の子からの手紙。

 入学してしばらく経ったにもかかわらず、彼を見に教室を覗き込みに来る女子はいまだにたくさんいる。

 これだけかっこよければ、遠くから見ているだけで恋の炎が燃え上がってしまう女の子がいたって、なんらおかしくないと思う。


「ど、どうするの?」


 恐る恐る尋ねる。

 知らない女子といきなり交際を考えるタイプではない気がしたけれど、友達からとか、とりあえず会ってみるとか、そういう可能性はあるかもしれない。

 ――怖かった。

 光雅くんが私の知らない女の子と仲良くなっていくのを見ることが。


「よく知らない子だし、断るよ。友達からお願いしますって書いてあったけど、俺ちょっと人見知りするし……。仲いい人が何人かいれば、無理に交友関係を広げるつもりは無いんだよね」