ずっとキミしか見えてない

 私のために甘いチョコレートを買ってきて、私に気を使わせないために、今ひとつ食べたのだ。

 ーー優しすぎだよ、光雅くん。

 昔のことが無くて、高校生になってから出会ったんだとしても、こんなことをされたら普通に恋に落ちていたんじゃないかと思う。

 だけど八年前から光雅くんに恋焦がれていた私にとって今の彼の行動は、ますます私の恋を大きく膨らませるものでしかなくて。

 こんなの、ますます好きなってしまうよ。


「いただきます」


 チョコレートをひとつもらって、口に運ぶ。

 甘くて少しだけ苦みがあるいつものチョコレートなはずなのに、なぜかとても切なくて深い濃厚な甘味を私の口に与えた。

 好きすぎるけど、どんな反応をされるのかが怖くて、昔のことはやっぱり言えないでいる。

 言えるはずがない。

 ーーなんだか心が痛いなあ。

 なんてことを、チョコレートを味わいながら考えていた時、足元に一枚の封筒が落ちているのが見えた。

 きれいな花の絵がプリントされた、かわいらしい封筒だった。