ずっとキミしか見えてない

 そう言いながら、光雅くんは自分の通学鞄の中を探り始めた。

 そして、中からチョコレートのお菓子の箱を取り出した。

 私の大好物のナッツが入ったチョコレートで、休み時間に芽衣とよく食べている物だった。


「光雅くん、これ……」

「ん、さっき学校前のコンビニで買ってきた。芽衣ちゃんとよく食べてるから、好きなのかなって。紗良が勉強を頑張った、ご褒美」

「え⁉」


 さらりとすごいことを連発で言ってくる光雅くんに、驚きの声を上げる。

 私の好物を知っていて、勉強を頑張ったご褒美まで用意してくれているなんて。

 お礼をしなきゃいけないのは、私の方なのに。


「光雅くん、優しすぎ……。もらっていいの?」

「優し過ぎなんて大袈裟じゃね? 頭使ったらお腹すくじゃん。俺も腹減ったから、一緒に食べようよ」


 言いながら、パッケージを開封してお菓子をひとつ口に運ぶ光雅くん。

 彼は前に、司書の先生にお菓子をもらった時に、甘いものはあまり得意じゃないと言っていた。

 だからチョコレートなんて、好き好んで食べるはずがない。