ずっとキミしか見えてない

「こ、光雅くん? もう帰ったんじゃなかったの?」


 驚きながらも私が尋ねると、彼は私の席に近寄ってきながら、小さく笑う。


「やっぱり生物の赤点の補習だったんだ。大変そうだね、そのプリント」

「え⁉ なんで私が赤点だったって知ってるの⁉」


 生物の時間、赤点を取ったことが恥ずかしくて、彼に答案が見えない様に必死で隠していたのに。


「だって生物の時、明らかにやばいって顔してたもん。紗良ってわかりやすいタイプだよな」

「え……。本当ですか……?」


 そんなにわかりやすい顔していたんだ、私。

 自分としては澄ました顔をしていたつもりだったのに。

 それにしても、そこまで私がわかりやすいタイプなら、光雅くんを好きという気持ちもすぐにバレてしまうのでは……。

 いや、でもまだ気づいてはいないみたいだし、光雅くんは良悟くんほど恋愛に興味ないみたいだし、きっと大丈夫だよね。

 と、私はこっそり自分に言い聞かせた。