ずっとキミしか見えてない

「俺さ、ちゃんと支えられるようになったんだよ。紗良のこと」


 淡々と言う光雅くんの言葉の意味が分からず、私は思わず顔を上げて「え?」と首を傾げた。

 彼は私をじっと見ながら、無表情でこう続けた。


「昔は小さかったけどさ」

「え……?」


 なんで光雅くんは、昔の話をしたのだろう。

 彼にとって私は、最近出会ったまだ付き合いの短い友達という間柄なはず。

 それなのになぜ、「ちゃんと支えられるようになった」とか「昔と違って」という、まるで旧知の仲のような言い方をしたんだろう。

 まさか光雅くん。

 八年前のこと、覚えているの?

 あの時一緒に、夜空を見て流星を捜したのが私だって、知っているの?

 そう思って、そのことを尋ねようと口を開きかけた私だったが。


「あ、ふたりともー! まだ運んでる途中だったのね」


 階段の上から、司書の先生がそんなことを言いながら下ってきた。

 コンビニのロゴが入ったレジ袋を腕から下げている。


「どうしたんですか?」


 光雅くんが、先生に向かって尋ねる。