ずっとキミしか見えてない

 男の子は成長期が来ると急激に身長が伸びる場合があると聞いたことがあるけれど、彼もそういうタイプだったのかもしれない。

 今となっては、私と光雅くんは、20センチ以上の身長差はあるだろう。

 お互いの体格差の変遷を考えると、本当に長い時間が経ったことを実感させられる。

 そして、それほどの変化があった期間離れていた私のことなんて、やっぱり彼が覚えているわけなんてないか、とも。

 そんなことを考えながら、廊下や階段を光雅くんの後に続いて本が詰まった段ボール箱を運ぶ。

 すると、最初は簡単にいけそうだと思っていたのに、段々手が痛くなってきた。

 だけど持てないほどではないし、あと少しだけ階段を下って外に出ればゴミ捨て場にたどり着ける。

 もうちょっとなんだから、頑張ろう――と私が思った時だった。


「わっ」


 階段を一段降りた瞬間に、足を踏み外してしまった。

 段ボールを落とすまいと手に力をこめるが、体の方がふらついて転びそうになった。

 やばい、階段から落ちちゃう――。

 と、私が覚悟をしたその時。


「危ないな、もう」