横からいきなり抱き着かれたので、驚きの声を上げた。


「やったよー! 私たち同じクラスだった!」


 私に飛びついてきたのは、中学の時からの親友の綿矢芽衣だった。

 彼女は、少し興奮した様子でそう言った。

 しかし彼女に教えられたことによって、私も飛び上がりそうになるくらいに嬉しさが沸き上がる。


「え! ほんと⁉」

「うん! 同じクラスなんて中一以来だね!」


 芽衣とは、同じクラスだった中学一年生の時以来の仲良しだ。

 二年生、三年生はクラスが離れてしまっていたが、三年間ずっと仲良くしている。

 少し姉御気質である芽衣と、ぼーっとしていることの多い私は、性格はあまり似ていないけれど、不思議と馬が合った。

 芽衣がいてくれたおかげで、辛かった受験勉強も乗り切ることができた。

 同じクラスに親友がいてくれるなんて、ますます高校生活が楽しみになってしまう。


「とりあえず紗良と一緒で安心ー!」

「ほんと、嬉しいよね」

「まああとは、かっこいい男子がいればもっと嬉しいんだけどね~」


 掲示板の前からふたりで離れると、ニヤつきながら芽衣がそんなことを言い出した。