公園に近づくにつれて、人が多くなってきた。

 どうやら流れ星に願いをかけに、大勢の人が公園内の丘を目指しているらしい。

 公園の中に入り、私も人々の群れに紛れてあの丘を目指す。

 あの日と同じ道順で、あの日と同じ星が瞬いている夜空の下で。

 丘の上にも、やはりたくさんの人がいた。

 家族連れや友人同士で訪れた人が多いみたいだ。

 小学校低学年くらいの女の子が、お父さんと手を繋いで「早く見えないかなあ」と言っている姿が見えた。

 私は目を細めて、昔を懐かしむ。

 人だかりの中から少し離れ、水飲み場の近くにまで移動する。

 8年前と、公園の様子がほとんど変わっていないようで、私は安心した。

 ――ここだ。

 この辺だ。

 8年前に、光雅くんと約束を交わした場所は。

 私は天空を仰いだ。

 まだ流星のピークは始まっていないらしく、周囲からも喜びの声は聞こえない。

 雲ひとつない夜空に、動きのない星々達が輝いているだけだった。

 光雅くんは、やっぱりここにはいない。

 残念な気持ちはもちろんある。