ずっとキミしか見えてない

 第一走者、第二走者、第三走者と、バトンが繋がれていく。

 四クラス同時に走っているが、実力は拮抗しているようで、順位が目まぐるしく変わっていった。

 アンカーの光雅くんに渡された時、私たちのクラスはほぼ同率の一位、二位と僅差の三位だった。

 ――出だしから光雅くんは、その俊足っぷりを学校中に見せつけたのだった。

 二位と一位のランナーを、彼は走り出した直後にあっさりと抜き去った。

 そしてそのまま、まるで風を味方につけたかのように、トラックを駆けていく。

 二位との距離がぐんぐん広がっていく。

 トラックを半分ほど走った頃には、すでに光雅くんの独走状態。

 窓ごしに聞こえてくる歓声が、どんどん大きくなっていく。

 そしてそのまま、光雅くんはゴールテープを切った。

 彼の元にクラス中のみんなが集まり、もみくちゃにされていく。

 爽やかな汗を浮かべながら、彼は珍しく満面の笑みを浮かべていた。

 ――何あれ。

 もうスターだよ。

 あんなかっこいい人、この世の中に、現実に存在していいの?