そんなことよりも、聞いてほしいことがあったんだけどなあ。

 「もしかして、八年前に一緒に星を見た子?」とか「その黒猫のキーホルダーって、ひょっとすると俺があげたやつ?」とか。

 でも覚えていないのなら、光雅くんがそんなことを聞いてくるわけはないのか……。

 一度先生に小言を言われたため、もう光雅くんと話すのはさすがに控えた。

 だから私は、彼の質問を思い出してドキドキしたり、彼が昔のことを全く忘れてしまっていることに悶々としながら、残りのホームルームを過ごしたのだった。