ずっとキミしか見えてない

 そして、光雅くんが私の肩を掴んで、悲痛そうな顔をして揺さぶってきた。

 彼は何も言わない私をお姫様抱っこのような形で抱え上げて、そのままどこかへと走り出した。

 ああ、これは夢かな。

 私の奥に秘めていた願望が、きっと夢になっているんだ。

 いくら優しい光雅くんといえど、さすがにこんなことまでしてくれないだろう。

 あは、私ってば大胆なことを考えるなあ。

 なんてことを思ったのを最後に、私の意識は暗転したのだった。





 目が覚めると、真っ白な物が視界を占拠した。

 次に五感が感じたのは、鼻腔をくすぐるほんのりとした薬品のような匂いだった。

 ――あれ。ここは、どこかな。

 私は柔らかい何かの上に寝かされていた。

 さらに、同じようにソフトな何かを被せられていた。

 ぼやけていた視界が幾分かはっきりしてきて、それが布団だったことにすぐに気が付いた。

 私、なんで寝ているんだっけ?

 今日はそういえば、体育祭の2日目じゃなかった?

 えーと、確か玉入れに出ようとしたような気がする。