「次は玉入れだねー。あ、紗良出るんじゃなかったっけ?」
「――うん」
体育祭の2日目は、校庭で行われる。クラスごとに固まってトラックの周りを囲むように椅子を並べて座り、競技に参加するクラスメイトを応援するという、運動会スタイルだった。
眠い目を擦りながら、現在行われている応援合戦を眺めていた私だったが、隣に座る芽衣に言われて、椅子から立ち上がった。
――しかし。
立ち上がった瞬間、ひどい眩暈に襲われた。
ふらついた私は姿勢を正そうとしたけれど、体に力が入らない。
その場でへたりこんでしまった。
「紗良⁉ ちょっと、どうしたのっ? 気分でも悪い⁉」
「うん、大丈夫……」
傍らの芽衣が心配そうに叫び、私は笑って立ち上がろうとしたけれど、やはり体が言うことをきいてくれない。
どんどん意識も白濁としてきた。
――ダメだ。起き上がれない。
霞がかっていく視界の中では、芽衣が私の顔を覗き込み何やら叫んでいるのが見えた。
だけど声がよく聞こえない。



