「そんなに元気があるのなら、体力が有り余っていますよね。そういえば、放課後図書室の書庫の掃除に四、五人ほどの人手をよこしてほしいと司書の先生に頼まれていました。そこの四人、ちょうどいい人数だから行ってきなさい」

「えっ……」


 喉の奥で悲鳴をあげる。

 私が騒いでしまったせいで、みんなの放課後をつぶしてしまうことになって、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 しかし芽衣と良悟くんは、ちらりと私の方を見て「あちゃー」というように、苦笑を浮かべていた。

 私の失態のせいで仕事を任されたことを、そんなに気にしてはいないようでほっとする。

 そして光雅くんも、私の方を見ておかしそうに微笑んでいた。


「――ごめん」


 光雅くんに突飛なことを聞かれて焦ったためとはいえ、とにかく大きな声を出してしまった私のせいで仕事を頼まれてしまったので、頭を下げる私。


「いいよ、別に」


 そう言った光雅くんの笑みは、どこか意味ありげな表情に見えた。

 本当に、なんでいきなりあんなことを聞いてきたのだろう。

 全く意味が分からなかった。