ずっとキミしか見えてない

「それでさあ。あいつのこと好きなくせに、なんで最近あからさまに避けてんの? 光雅も聞いてたけど、やっぱりなんか理由があるの?」


 私の顔を覗き込みながら、良悟くんが尋ねてくる。

 どこか心配そうな面持ちに見えた。

 どうやら、私の意味不明な行動について気にしてくれているみたいだ。


「別に……」


 私は小さく言う。

 光雅くんとさっきは何やら火花を飛ばしていた良悟くんだけど、普段は仲がいいのだ。

 ここで私の考えについて、彼に言わない方がいいだろう。


「紗良ちゃん、なんか悩んでるっぽく見えるんだけど。別に光雅には言わないよ。光雅みたいな完璧イケメンよりは、俺みたいな適当な奴の方が相談しやすいんじゃない?」


 良悟くんは、テストで赤点を取って私と一緒に生物の補習を受けた。

 かっこよくて優しいけれど、光雅くんみたいに完全無欠というわけではない。

 確かに、良悟くんにはこの悩みを打ち明け安い気がした。

 それに、私は息が詰まって苦しかったのだった。