ずっとキミしか見えてない

 ――すると。


「もう、何やってんのさ紗良ちゃん」

「へっ⁉」


 いきなり背後から呼び止められたので、私は素っ頓狂な声を上げてしまった。

 振り返ると、そこには良悟くんがいつものようにニヤニヤと笑いながら立っていた。


「りょ、良悟くん! どうしてここにっ? 私走って来たのに!」

「俺、サッカー部一の俊足なので。余裕で追いつきましたが?」

「ええ……」


 そう言いながら、私はきょろきょろと辺りを見回す。

 光雅くんはいないのだろうか。


「あ、光雅ならまだ学校に居ると思うよ。高崎さんに「光雅くん! 勉強教えてー!」って呼び止められてた。紗良ちゃんのこと追いかけたかったと思うけど、あいつ優しいから断れなかったみたい」

「高崎さんに……。そっか、そうなんだ」


 あの高崎さんが光雅くんと絡もうとしていることを知って、ひどく落胆する私。
 
 って、私は何をがっかりしてるんだ。

 自分から彼と離れようとしているというのに。


「あはは! 紗良ちゃんめっちゃわっかりやすー!」

「え?」