ずっとキミしか見えてない

 いたたまれなくなった私は、光雅くんの腕を外して、逃げるように走る。

 背後から「紗良!」と光雅くんの呼ぶ声が聞こえてきたけれど、あの質問にはこの場で答えられるわけがないので、返事もせずに廊下を駆ける。

 もちろん、どっちが好きかなんて答えは決まっている。

 だけど私は光雅くんと一緒に居てはいけないのだから、あんなことに返答できないのだ。

 第一、良悟くんという第三者がいる前で愛の告白なんてできるわけない。

 校門を出て少し進んでから、私はやっと走るのをやめた。

 全力で結構長い距離を走ったので、息が乱れている。

 私は立ち止まって肩で息をして、呼吸を整えていく。

 ――全く。

 光雅くんもよくわからないし、良悟くんも変なこと聞いてくるし、一体何だっていうの。

 もう光雅くんとは距離を置くと決意しているのだから、あまり心をかき乱すようなことは言わないでほしいのに。

 いろいろあって、なんだか精神的にとても疲れてしまった。

 とりあえず、帰って休むことにしよう。

 そんなことを考えながら、私は歩き出そうとした。