ずっとキミしか見えてない

 そこで私は、心底驚いてしまった。

 光雅くんは眼光を鋭く光らせて、良悟くんをじっと睨んでいた。

 息を呑むくらいに鋭利な視線は、ちょっと怖かったけれどきれいだなとも感じた。

 そんな光雅くんに思わず私が見とれていると。


「えっ……?」


 突然光雅くんが、私の肩に手を置いて自分の方へと引き寄せたのだった。

 彼の体と背中と肩が密着し、体温が伝わってくる。

 何が何だかわからない。

 なんで私、彼に抱き寄せられているのだろう。

 混乱しているうちに、どんどん体が熱くなる。

 きっと今の私の顔は、トマトみたいに真っ赤になっているに違いない。


「だから、前にも言ったろ。俺と紗良の間に、良悟が入り込む隙なんてないってば」


 耳元で光雅くんの低い声が聞こえて、反射的にびくりと身を震わせた。

 ますます頭の中が混沌としていく。

 だけどぼんやりと、前もそんなことを光雅くんが言っていたことを想い出した。

 あれは確か、良悟くんが「ふたり付き合わないのー? 俺間に入っちゃいますけど」なんて、変な冗談を言った時だ。