ずっとキミしか見えてない

 良悟くんは私の傍らに立ち、機嫌のよさそうな顔をして歩調を合わせた。

 いつも元気で明るい顔をしているよなあ、良悟くん。

 赤点を取った時も、全然落ち込む様子はなかったし。

 今の私には、その前向きさが心の底から羨ましい。


「ねー、紗良ちゃん。光雅となんかあったの?」


 並んで購買部へと向かっていると、良悟くんが軽い口調で尋ねてきた。出てきた名前に、私は一瞬固まってしまう。


「え? な、なんかってどういうこと?」


 焦って上ずった声で答えてしまう。

 すると良悟くんは、にやっと意味深な笑みを浮かべた。


「だって、さっきなんかちょっと険悪な感じだったじゃんふたり。光雅からメロンパンもらえばよかったのに、どうして断っちゃったの?」


 光雅くんとのさっきの会話を、良悟くんに見られていたらしい。

 確かに気まずい雰囲気だったもんな……。


「それは……メロンパンって気分じゃなかったから」

「芽衣ちゃんとはメロンパンをゲットする!みたいに話してたのに?」

「え……」