ずっとキミしか見えてない

 心が痛かった。

 光雅くんを傷つけてしまった気がして。

 だけどそれでも、私が光雅くんの邪魔にならないためには、そうした方がいいのだと思った。

 光雅くんにとって、私は足枷でしかない存在なのだから。

 そんな日が何日か過ぎた時だった。


「紗良ー、お弁当食べよう」

「うん」


 お昼休みになり芽衣に声を掛けられて返事をする私。

 ランチはいつも、芽衣と一緒に机をくっつけて、お母さんが作ってくれたお弁当を食べることにしている。

 私は通学鞄の中から、お弁当が入ったランチバッグを取ろうとした。

 ――しかし。


「あれ」


 鞄に入れたはずのランチバッグが無くて、私はうろたえた。

 鞄の口を開いて中をしっかりと見ても、やっぱり見当たらない。


「お弁当、家に忘れてきちゃったみたい」


 バツ悪く笑って芽衣にそう言うと、彼女は少し慌てたような顔をした。


「え、マジ? お昼どうするの?」

「購買部でパンでも買ってこようかなあ」