ずっとキミしか見えてない

 彼は人に教えるのも復習になると言っていたけれど、彼の勉強時間が減ってしまったことはやはり確実だろう。

 つまり、光雅くんの成績が下がってしまったのは――ほぼ間違いなく私のせいだ。

 幼い頃から、医者になるために光雅くんはずっと頑張っているのに。

 私のせいで。私なんかのせいで。

 やっぱり、私が光雅くんと一緒にいたらダメなんだ。

 彼の足を引っ張ってしまうんだ。

 そんな絶望的な考えに私が至っていると。


「あ、紗良」


 私の存在に気づいたらしい光雅くんが、手を振りながらこちらへ寄ってきた。

 良悟くんは、プリントのチェックをしている先生といまだに雑談している。


「こ、光雅くん」


 たった今、「一緒にいてはいけない」と思った彼が急に接近してきたので、私はうろたえてしまう。


「生物のプリント無事に終わったみたいだね。よかったな」

「……うん」


 困惑しながらも、かろうじてそう答える私。