ずっとキミしか見えてない

 そんなことを思いつつ、ふたりの会話をぼんやりと聞きながら、ふと職員室を見渡すと、少し離れたところに光雅くんと進路指導の先生が話しているのが見えて、私は目を見開く。

 光雅くん、まだ帰ってなかったんだ。

 進路室で勉強してたのかな。

 それにしても、先生と何を話しているんだろう?

 気になった私は、密かに耳を澄ませた。


「月島。この前の定期テスト、あまりよくなかったな。どうしたんだ?」


 聞こえてきた先生の声に、私は虚を突かれる。

 え、この前のテスト?

 光雅くん、そんなにいい結果じゃなかったの?


「ああ、あれは……」


 その後に光雅くんが話し出したが、少し距離があったためうまく聞き取れなかった。

 なんて言ったのだろう?

 しかし、光雅くんの言葉がどうであれ、先生がテストの結果をよくなかったと言っていたのだ。

 彼のテストの点数が、あまり芳しくなかったことは十中八九間違いない。

 この前の定期テストといえば、テストの直前に光雅くんは毎日のように私に数学を教えてくれた。

 放課後、何時間も教室に一緒に残って。