ずっとキミしか見えてない

「そっか、じゃあ頑張れよ」

「えー! 俺には教えてくださいよ光雅様!」

「お前も紗良を見習って自分の力でやれよ」


 すがるように言う良悟くんの言葉を、無慈悲にぶった切る光雅くん。

 良悟くんの隣の席にいた芽衣が、おかしそうに笑った。

 私も一緒になって笑い合う。

 ――これで、いいんだよね。

 作り笑いを浮かべながら、私は自分に強くそう言い聞かせたのだった。





 その日の放課後、補習のプリントが無事に終わった私は、良悟くんと一緒に職員室にいる先生の元へと提出しにいった。


「先生、終わりました」

「ちゃんと頑張って全部解きましたよー!」


 デスクについている生物の先生の傍らに立ち、私たちがそう言うと、先生はにこやかな顔でそれを受け取る。


「どれどれ、じゃあ見せてねー」

「ばっちりなはずっすよー!」

「ほんとー? 一色は特にテストやばかったから信用できんなあ」

「えー! 先生ひどいっすよ!」


 気安い感じで先生と会話する良悟くん。

 誰とでも仲良くなれる、憎めないキャラだよなあ。