ずっとキミしか見えてない

 まあ、彼ならば気づいたら言ってくれると思うので、見えてはいなかったようだが。

 ひとつひとつ落ち葉を取っていったけど、スカートの裾にもくっついていた。

 背中側にもいくつかついているようで、一旦脱いで取った方がいいかもしれない。

 そう思った私は、トイレの個室に入ることにした。

 中に入って鍵をかけた瞬間、洗面所の方から話し声が聞こえてきた。

 どうやら誰かが女子トイレに入って来たらしい。


「あー。だるいなー。かったるーい」

「あんた毎朝そんなこと言ってんね」


 聞き覚えのある声だった。

 確か同じクラスの、高崎さんと中村さんだったと思う。

 見た目は流行を抑えていてかわいい感じで、席が遠いこともあってかあまり個人的に話したことはなかった。


「でも、教室に行ったら月島くんがいるからちょっとは元気出るかも」

「あー、かっこいいよねー。彼は本当に」


 スカートに付いた落ち葉を取ろうとした私だったが、ふたりが光雅くんのことを話し出したので、思わず手を止めて耳をそばだてた。