「なぁーももちゃんってさぁ、俺の事嫌いなん?」

「はぁ?!何だよ急に。つかそのももちゃん呼びほんとやめてくんない?!!」


結局根負けして渡してしまったプリンをちまちまと食べながら間延びした関西弁を喋る仁科。
この男は俺がルームメイトになったその日からずっと俺のことを"ももちゃん"と呼んでいる。
何度やめろと言っても返ってくるのは毎回同じ言葉なのでもうほとんど諦めてるところなんだけど…ほら、やっぱり今日もいつもと同じ返事が返ってきた。


「だってぇ、ももちゃんってさぁ全然"朝陽"って顔と違うやん?百瀬って苗字はめっちゃ合ってるけど。身長もちっこいしー顔も可愛いしー」


「…………聞き飽きたそれ!、もうそれ以上言わなくていいから!!分かったから!!」



やっぱり俺の話なんて全然聞かないこのマイペース野郎は、1人で考えるように眉を寄せてうーんうーんと唸り声を上げ始めている。




「んー…やっぱ女の子みたいよなぁ。ももちゃんって。」