明日もまだわからないってことは、家にも帰る余裕がないほどなにかがあったってことだよね。またしばらく会えない日々が続くのだろうか。

 そう思えば思うほど寂しくなり、将生に会いたい気持ちが大きくなる。

 一度好きだと気づくと、こんなにも気持ちに変化が現れるものなの?

 考え込んでいる間も、時間は流れていく。

「お風呂、入らないと」

 ひとりだし、シャワーで簡単に済ませちゃおうかな。

 トボトボと重い足取りで浴室に向かうと、洗面台に映った自分の顔は覇気がなくて苦笑いしてしまう。

「もう、ショック受けすぎでしょ」

 ずっと将生と会えないわけじゃないのに……。

 ため息ひとつ零し、洋服を脱ごうとしたところで、指輪をしていないことに気づいた。

「指輪……」

 あれ、私いつからしていない?

 昨日はいろいろなことが起こりすぎて、すぐに思い出すことができない。それでも必死に記憶を呼び起こす。

 寝坊して、慌てて家を出たよね。……その前にシャワーを浴びて……あっ、その時に外したんだ!

 置いた場所を思い出し、洗面台周辺を探すものの見あたらない。