ほぼ貴史と同じ時に飛び込んできた青山も、呆然と立ち竦む。 貴史は大事そうに蓮美さんを抱き上げ、 決意を持った眸で私を見て言った。 「和奈、いや江藤。救急車は俺が付き添うから」 呆然として何も言えない私にそう言って、貴史は部屋を出ていった。 暫く立ち竦んでいた私は、何故だかゆるゆると青山の方を見た。 青山は、青ざめた顔で、ドアを睨んでいた。 その表情で。 全て、悟った気がした。 二人の、浮気──いや、心変わりを。