大丈夫だと思えたからこそ、何があっても我慢出来た。

「中学の時、同じ学校だったけど色覚異常ってやつらしいよ」

「え、そうなの…色分かんないとか私らには理解出来ないねえ…」

「まあ、ちょっと気の毒だよね…」

小さな声で言っているようでも本人には聞こえているものだ。

もしかしたらわざと聞えるように言っているのではないか、とも思えるくらい。

今みたいに同情するように影で私の事を噂する人たちもいれば、面と向かって悪口を言ってくるような人たちもいる。

だけど、我慢出来た。

皆と違う所があるけれど、人間皆一緒では無い。人それぞれ個性があって、私の障害も個性だと思えば我慢出来た。

母の『大丈夫』だと言ってくれた言葉を思い出せば、我慢が出来た。