「───────あっ!!・・・・・・・・・っば!!」



「・・・・・・ぎゃあ!!・・・・・・うぉお・・・!!」




「うる・・・・・・せぇえ」



時計を見ると朝の九時を回っていた。



慌ただしい声で目が覚めた鈴は上半身を起こす。




その声はすぐ近くで聞こえたが、この家の誰でもない。




そう、その声の主は───────




「ゆず!!うっせーぞ!!」



「ぎゃっ!!ごめんなさい!!」




──────────



部屋着から私服に着替えた鈴は、家から隣の凪家へ向かった。




インターホンを押すと、おばさん(ゆずの母)が出てきて快く迎え入れてくれる。




それから綺麗に掃除されている廊下を進み、階段を昇る。



2階へ上がるといくつもの扉があったが、それらを通り過ぎて1番隅の部屋へ行く。





ノックをしてもどうせ気づかないのでドアノブへ手を差し伸べる。





ドア越しにも聞こえる声。




まったく。日曜だって言うのによ・・・。




ガッと勢いよく扉を開ける。




「ゆず!!うっせーぞ!!」



「ぎゃっ!!ごめんなさい!!」




そこには大きなパソコンの画面に向かい、ゲームのコントローラーを持っていたゆずだった。