「今日は午前で終わりでしょ? お昼は家で食べる?」

「……うん。たぶん」



友だちと食べるからいらない。


って、去年のわたしならきっと言っていた。

いまはなかなか言う機会がない。



「唯の好きなオムライスにしようか」

「ほんと? ありがと、お母さん!」



受験生の弟だけじゃなく、わたしのことも気遣ってくれるお母さん。


優しいお母さんを尊敬してる。

でもさすがのお母さんも、最近はお疲れ気味だ。


高1の男の子がいるお隣の奥さんに、男子の反抗期についてこっそり相談しているのをわたしは知っている。

男の子は難しいってぼやいてた。


お父さんは仕事第一で、わたしたちのことはあんまり気にしてないし。

家のことや子どものことについて悩んでも、頼りになる家族がお母さんにはいないのだ。