しょんぼりしていると、奈々がわたしに気付いて「おはよ」と声をかけてくれた。
でも奈々より近くにいた葉子ちゃんはムシ。
まあこれもいつものことだ。
それよりも、今日は平くんとの同盟が夢だったことの方がショックだった。
これから絶対楽しくなるって、わくわくしていたから。
本当にがっかりだ。
色を取り戻しかけていた世界が、またつまらないものになっていった。
*
2時間目のあとの中休み。
気落ちしながらひとりでトイレに行った、その帰り。
特進クラスの前を通る時、こっそり中をのぞいた。
もうこの行動は、一種のクセみたいなものになっている。
高校生活3年間でできたクセ。


