「中古だけど、初心者マークつけるのには丁度いいよね」
平くんがそう言って小さく笑う。
レアな笑顔の出血大サービスな日らしい。
おかげであたしの頭でシャッター音が鳴りっぱなしだ。
もっと、ずっと、これからも。
この笑顔を見るために、そばにいられたら……。
「いま練習中なんだけど。もうちょっと運転上手くなったら……助手席に乗る、いちばん最初の人になってほしい」
少し照れくさそうな平くんの言葉に、心臓が大きく脈打った。
「わ……わたし、が? わたしでいいの?」
「春川さんがいいんだ」
頬と耳の端を染めて、平くんが強く言った。
つられてわたしも、全身が熱を出しはじめる。
なんだろう。
わたしまた、都合の良い夢を見てるんだろうか。


