卒業まで100日、…君を好きになった。





地面に散る桜の花びらは、踏むのをためらってしまうほどきれいだ。

靴の裏で汚してしまうのはしのびなくて、つま先立ちで歩く。



「唯―! 写真撮るよ!」

「はやく~!」

「はーい!」



花びらをよけながら、集まっている友人たちの元に向かう。


皆これでもかというくらい泣いたあとなので、腫れぼったい目をしてひどい顔だった。

この顔を写真に残すなんて、普段なら皆さけるところだけど、今日は卒業式だから。


泣き顔はむしろ、勲章なのだ。


高校生活3年間を、全力でがんばった証。

全力で楽しんだ証。


全力で、駆け抜けた証だから。