卒業まで100日、…君を好きになった。





卒業式。

わたしたちの門出を祝うように、今日もよく晴れた。

温かで、爽やかな朝。


保護者、在校生、そして卒業生で埋まった体育館に、“旅立ちの日に”が響きわたる。


卒業生の合唱なんて、どうしてあるんだろう。

とてもじゃないけど聴けたものじゃない。


ただただ卒業生を感動させるだけの代物だ。

わたしなんて嗚咽でほぼ歌詞をつむげなかった。


周りの生徒も似たようなもので。

きっと在校生は後ろの席で苦笑いしてるんだろう。


この日のために用意した白いハンカチが、涙やらなんやらでぐちょぐちょになった。


歌が終わりに近づくにつれ、思い出が次々と走馬灯のようによみがえる。