間ちがいなかった。
拓はたぶんあの時も、漫画の本を盗んでいたんだ。
部屋には漫画はなかったから、そのあとどうしたのかはわからないけど。
わたしはあの日、拓に嘘をつかれた。
「しかも初めてじゃなかったらしくて、本屋さんの方で拓のこと警戒してたようなの」
「そうなの?」
「私服警備員まで雇ったみたいで。もう申し訳なくて……。謝って謝って、なんとか警察に連絡はしないでもらえたんだけど……」
「泣いてる場合じゃないじゃん! それで拓がいなくなったっていうのは?」
お母さんはすっかりショックを受けてしまっていて頼りない。
そりゃあ息子が犯罪おかしたらショックだろうけど、わたしだってすごいショックだけど、それよりも拓が心配だ。


