卒検が終わって戻ると、ソファーに平くんがいて驚いた。


こっちに気づいて、ヘッドフォンを外す彼に、わたしは笑ってピースをして見せた。

試験はちょっとミスもあったけど、ほぼ完璧だったと思う。


平くんのお守りがあったから。

そして口に残る甘さが、わたしをびっくりするくらい落ち着かせてくれた。


笑顔のわたしに、平くんもほっとしたように笑ってくれた。




「お疲れさま、春川さん」

「ふふ。ありがとう、平くん」



それから合格発表まで平くんは付き合ってくれて、わたしは無事、卒検に合格した。


一緒によろこんでくれた平くんを見て、わたしは決心した。

これまで通り、変わらずいようと。


平くんから同盟解消を言われない限り、卒業までこのままでいる。

そして笑顔で、卒業しよう。