「あけてみて」

「うん……。わあ、可愛い!」



リボンをとってそっと箱を開くと、中にはハート型のチョコレートがふたつ並んでおさまっていた。

黒と白の小さなチョコは、なんだか恋人同士みたい。



「あの店の人気の商品なんだ。それ食べて、リラックスして卒試がんばって」

「平くん……ありがとう」



泣きそうになりながら笑顔でお礼を言うと、平くんは「いや……」と照れくさそうにフードをかぶる。


うれしい、うれしい、うれしい。

もう落ちてもいいやとさえ思った。


いや、せっかく平くんが応援してくれてるんだし落ちたくないけど。


でもそれくらいうれしくて、そして深く後悔した。