わたしが、いないと……?
その意味がわかった瞬間、カッと頬が熱くなる。
わたしもコートにフードがあったら、絶対かぶってた。
変な意味じゃないってわかってる。
同盟だから。
同盟組んでるわたしがいないと意味がないってことだ。
変な意味でもないし、深い意味もない。
わかってるけど、平くんに特別扱いされているようでうれしくて。
そして同じくらい、切なくなる。
本当に平くんにとって特別なのは、わたしじゃないから。
「春川さん、明日でバイト最後だよね」
「うん。平くんは明後日だっけ」
「そう。明後日は春川さんの卒検だね」
「言わないでよう。緊張してきちゃう……」
平くんの言う通りで、明後日は自動車学校で卒業検定がある日だ。
ちなみに平くんはとっくに卒業検定を終えている。
もちろん一発合格だ。


