「う……けっこう重い」



一旦ダンボールを置きに降りようとした時、倉庫の扉が開かれた。



「春川さん?」

「えっ!? わあっ!」



静かな倉庫に響いた聴きなれた声。

それに驚いて、バランスを崩してしまう。


売り物を落とすわけには……!


必死でダンボールを抱え直しながら、自分が落ちていくのを感じた。



「バカ……っ!」



でも、いつまでたっても衝撃は訪れず。

全身を固い床に打ちつける覚悟だったのに、待っていたのは温かい、彼の腕の中だった。


走ってきたらしい平くんが、わたしを抱きしめている。



「危ないっ!」



それにドキドキする間もなく、強く身体を抑えこまれた。

直後、バラバラと上から何かが降りそそいでくる。